「くりっく365(さんろくご)」は東京金融取引所で行われるFXの愛称です。外為オンラインや外為どっとコムのような買い手と売り手との直接取引の場を提供するFX会社ではなく、取引所を経由したFX取引が行えます。
これは以前、ネットでFXができ始めた頃に悪質業者が参入し、投資家とFX会社の間でトラブルが絶えなかったり、FXを監督する公的機関がなかったことが要因です。
2005年7月に金融先物取引法が改正され、同時に安全性の高い取引所であるくりっく365も開設されました。「金融庁への業者登録の義務付け」「希望しない相手への勧誘の禁止」などを定めて、悪質業者の排除とFXの活性化を目指しました。
くりっく365の信用力は群を抜いています。通常のFX会社と違い、営業主体が東京金融取引所ですので、公正かつ透明性の高い取引が保証され、安全なFXが行えるようになりました。
投資家の証拠金もすべて取引所に預託されるため、仮に会社が破綻しても、証拠金は全額守られるのです。一般的なFX会社では、会社が破綻すると証拠金が戻ってこないこともあります。
スワップポイントが高く、マイナススワップとプラススワップに差がないため、スワップ派は有利なレートで資産を運用できます。
さらに税制の優遇が最大のメリットと言えます。税率は20%固定の申告分離課税であり、先物取引と合算ができます。損失の3年間繰越もくりっく365ならではです。
くりっく365では価格に公平性を持たせるために「マーケットメイク方式」を採用しています。マーケットメイク方式とは、常に買いと売りの気配値を提示して、投資家の注文にいつでも応じられる仕組みです。
そのマーケットメイク方式の環境を整える金融機関は「マーケットメイカー」と呼び、2009年11月時点では、ゴールドマン・サックス証券、ドイツ銀行、コメルツ銀行、野村證券、三菱東京UFJ銀行の5社がマーケットメイカーとして参入しています。
くりっく365では複数のマーケットメイカーが取引所に提示するレートのうち、投資家にとって最も有利となる価格を合成することができます。
そのため、くりっく365を扱うFX会社のどこを経由しても、同じ時間であれば、同じ価格で取引できるため、価格の透明性が非常に高いです。
逆に通常のFX会社では価格にスプレッドを上乗せしているので、FX会社によって買値と売値にバラつきが生まれています。スプレッドはFX会社の実質手数料であり、「スプレッドが小さいFX会社がベスト」と言われるまでになりました。
安全性と信用力で申し分なく、スワップポイントは一本値、スプレッドも小さく価格が一定であるのなら、どんなFX会社でもくりっく365に参入したほうが良いと思えますが、実は一概にもそうは言えません。
くりっく365が不利な点はシステムが使いづらいことです。「24時間稼動」していても朝方1時間使えなかったり、公平のためのマーケットメイカーが異様なスプレッドを提示していたこともありました。
また、初心者にくりっく365が浸透しない理由は取引手数料を取られることです。通常のFX会社が取引手数料が0円なのに、くりっく365では取引のたびに100円、200円と支払うのはあまり納得できるものではありません。
確かにFX会社もスプレッドという形で、手数料と同じくらいの金額を徴収しているので大差はありませんが、呼び名が違うだけで抵抗感を覚えます。
さらに100種類近くの通過ペアを扱うFX会社がある一方、くりっく365の扱う通貨ペアはドル、ユーロなどの23種類と少ないです。取引通貨単位は1万通貨単位、レバレッジは100倍までとなっていますので、物足りないと思う投資家も多いです。
大手のFX会社がくりっく365に参入してくれれば、競争が激化して、取引手数料が下げられ、サービスも向上するはずです。元々、くりっく365は使い方次第ではかなり嬉しいメリットがたくさんあるので、今後の発展に期待したいところでしょう。
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